反り腰は腰痛の原因と言うのは嘘もしくは誤認です
結論から先に言います。実は正常な腰は軽く反っているのです。これは解剖学の教科書を見れば一目瞭然で誰も否定できない事実です。
ではなぜ「反り腰は悪」という考えが蔓延したのか?恐らくですが「正常より反りすぎた腰」を反り腰と言う言葉を使ってしまったのが原因と考えられます。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしなのです。
反り腰は悪と言う言葉が作る腰痛が多くなっています
ここ数年私共の施術院に来院の際「私は腰痛で反り腰なので一生懸命「猫背」になるようにしています」と訴える方が急増しています。
先述したように、これは完全な勘違いから起こる誤解なのです。あまりにも多くの方が口を揃えて訴えるようになっているので誰がその様なことを発信しているのか調べてみると驚くことに多くの施術者と思しき人達が「反り腰」「反り腰」と連呼しているのです。
しかしそれはきちんと解剖学を学び日々施術を責任をもって実践している施術者なら絶対に言わない事なのです
本来腰椎は日本人の場合軽く前弯すなわち反っているつまり「反り腰」なのが正常なのです。そして、あまりにも「反りすぎている腰」は腰痛の原因になりえます。おそらくこの反りすぎ腰を正しく認識していない施術者があまりにも多すぎる事で「反り腰=腰痛」が独り歩きしているようです。また、すべての反りすぎ腰が腰痛になるかというとそんな事はありません。一般に反りすぎと思われるような腰もその人にとっては正常だったりします。
ちなみに「反り腰」のワードをグーグル検索してみたところ「反りすぎるのは良くない」と言及されている先生は残念ながら数名しかいませんでした。
正しい腰(腰椎)の形とは?
背骨の形には人種にもよるのですが基準があります。(この事も学生の時に解剖学の先生から学ぶはずなんです)もちろん人種だけでなく個人差もあります。
なので、杓子定規にこの角度ではダメ!というものではなくその人にとって良いのか悪いのかを見極める力が必要です。
この見極める力が施術者の差であり臨床例を多く見ないといけない一つの理由なのです。
簡単に言うとアスリートでも種目によって大きく体型が違いますね。例えばマラソンランナーとお相撲さんではかなり体型の差がある事は誰が見ても一目瞭然ですよね。
一般の人でも体格には差異があり仕事をしている人では職種により身体の使い方は大きく異なることもあります。また、性別や年齢なども大きく加味されます。
腰椎が前弯している事(反り腰)は正常状態でありそれを否定してはいけません。反りの度合いが問題なのです。
逆ぞりは老人に多くみられる老化した状態です
骨盤を起こして座るとほとんどの人は腰は前側に反ります。逆に後ろ側に寝かせてしまうと猫背になります。
自分の姿勢ってどうなのか?ほとんどの人は分からないので写真に撮ってもらって見るといいですね。なんとほとんどの方が猫背になっています。自信満々で私は姿勢が良いですという人もいますが良い姿勢の基準を知らないので実は悪い姿勢という事も多々あるのです。
あまりにも猫背が酷い人には初回施術で写真を撮り施術前と施術後の姿勢の変化を確認して頂くのですが皆さんとても驚かれます。そしてとても大切な事ですが猫背を長い間行っていると体型が固定され二度とまっすぐに戻らない身体になってしまうこともあるのです。これは珍しいことではなく街に出れば「ああ、この人の背骨、完全に変形してしまっているな」と思える方に必ず出会います。年齢を重ねれば重ねるほどその傾向は強くなります。
「余談」バレリーナだけが許された背骨の形
私は36年前から舞踊をされている方を施術しています。プロアマ問わず子供から大人まで
バレリーナだけはこの背骨の前弯港湾を意図的に無くしています。それは踊りやすくするためや見た目の美しさを追求する上でとても大切な事だから。
関節もかなりの広範囲で可動域を極限まで引き出します。
本来ならば構造上痛みや不具合感を誘発してもおかしくないのですが標準より遥かに緩い関節をインナーマッスルで支える事がバレエのメソッドの中に含まれているので痛みを感じないのです。
勿論そのメソッドを誤解してしまうとバレリーナであろうと即痛みや体型に反映されてしまうのでプロの方にはそれを理解して施術を行う施術者が必要不可欠になります。
私は施術者として真摯にダンサーの身体に向き合う事でインナーマッスルと身体の関係を誰よりも早く理解し実践されていたのがバレエダンサーであると確信しています。また私自身がその事を誰よりも早い時期に理解して調整に携わっていた施術の先駆者の一人が私である事を自負しています。
余談ですが私がカイロプラクティックカレッジでお世話になった講師の先生に30年位前にこのインナーマッスルの話をしたところ「そんな怪しい話をするな」と窘められた事があります。その当時は講師の先生でさえ筋肉についてはその程度の認識しかなかったのです。私は実践に裏打ちされた施術を重視していたのでその先生の言葉は信じず己の道を突き進んだので最新の理論から乖離しないで済みました。
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