関節のズレはなぜ起こるか?

関節のズレはなぜ起こるのか?

 前回のブログでは関節の可動性減少と可動性亢進がズレであると説明しました。今回はこのズレがなぜ起こるか説明します。

時代と共に身体の悩みは変わるもの

 私達人類は二足歩行する事で文明を築いたと言っても過言ではありません。二足歩行で火を使い調理する事で栄養を摂取する時間を大幅に短縮できた事で時間に余裕が出来、その余裕が様々な発展に繋がったと私は認識しています。

 ただ、かなり長い時間人類は自然と共生していて日本における縄文時代は1万年間続いていたと言う説があります。 文字こそ無かったものの共通の言語や独自の文化があったことは遺跡や出土品を見れば察しがつくと思います。

 その後、時代がながれ現在と繋がっているのですが私がカイロプラクターとして現場に立った昭和時代は今とちょっと違っていました。

 駆け出しの施術者として感じた事は腰痛で来院される方が圧倒的に多く肩こりが主訴で来院される方は殆どいませんでした。

 私は幸運にもカレッジ卒業後にカレッジ付属の医療品販売部門に就職できました。そこでは週に一回、学長の施術に助手として参加できる特典がありました。

 学長は日本を代表するカイロプラクターの一人「須藤清次D.C.」でその当時は一線の施術からは離れ、週に1~2回程度、有名スポーツ選手や難しい症例の方を専門に施術されていました。

 余談ですが、時に大きく報道されることもありました。当時プロボクシング世界ヘビー級チャンピオンの「マイク・タイソン選手」を須藤D.C.が施術を行いました。(私も唯一の助手として施術に加わりました。)その時は各大手スポーツ新聞のトップ記事になりでかでかと掲載された写真の片隅に私も写っていたのは忘れられない思い出です。(なんと須藤先生はリングサイドの席に招待され観戦されていました!)

 修業が認められカレッジ付属の「日本カイロプラクティックセンター銀座」に配属されたのは就職1年後の事でした。 

 銀座5丁目、晴海通りに面し歌舞伎座の真向かいと言う好立地のセンターに転勤になるとこれまで週一回しか施術のチャンスが無かったのが週六回に増え、休日の日曜日は地元つくばに戻り友人や知人を施術していました。一年の内に休日はほぼゼロと言う施術三昧の至福の日々を過せたのです。

 そんな当時の私が思ったのは腰痛さえ施術できれば十分に治療院を運営できそうだなと言う非常に甘い考えでした。

つくば市は肩こりの人が多い街でした。

 その甘い考えはつくばにUターンし本格的に開業したとたんに打ち壊されてしまいました。なんとつくば市は腰痛より圧倒的に肩こりの人が多い‼銀座で行っていた施術では歯が立たない事がとても多かったのです。

 急いで肩こりの書籍を購入するもその当時は肩こりに関連する書籍はとても少なく絵本の様な冊子(それでも専門書でした)を見つけて読んだものの解決には至りませんでした。

 先のブログで書きましたがつくば市は研究者の街、その当時、一般社会ではもちろんの事企業でもまだまだマイナーな存在のコンピューターを駆使した仕事をされている方がとても多く、研究と言う仕事も長時間座ったままとか立ったまま微動だにせず数時間仕事をされていたようです(もちろん違う人もいますよ)

 つまりつくば市はその当時から慢性的な肩こりと慢性的な腰痛の人達が多く住む街だったのです。

悩みに悩んだ結果発見した法則

 カレッジで学んでいたときにある先生が言いました「施術で分からなくなった時は教科書(医学書)を開け」

 もう一度初心に立ち返り基礎医学の教科書、特に解剖学の教科書を読みながら施術を行っていたのですがその場では楽になるもののすぐに戻ってしまうと言うような私が理想とする施術とはかけ離れた苦しい施術を繰り返す毎日でした。そんな時にある法則を発見しました。

 長時間同じ姿勢をしている人って総じて酷い猫背でした。しかも座っている格好を観察してみると捻じれが生じている。これまで信じていた原因と考えられる椎骨の歪みを検出して矯正する事がベストの施術では無かった事に気が付いたのです。

 各々の椎骨の歪みを検出して施術する事で完結していた施術をその歪みを引き起こすライフスタイルを改善させる事に本当の目的を見出す事が出来たのです。

 問題を持っている人の全ての椎骨(骨盤、頭蓋骨を含む脊柱)は「らせん状に歪み」そこに「右重心」「左重心」「前傾気味」「後傾気味」など複雑に絡み合っていたことを理解できたのです

 ただサブラクセイション(椎骨の問題)を触診で発見してアジャスト(矯正)するだけのスタイルと決別する日がやってきたのです。

歪みは普段の生活の中で作られる生活習慣が作り出すものだったのです

 ズレが病気を引き起こすのではなく日常の偏った生活習慣が歪みを作り出す。学生や助手だった頃はこの当たり前の事が分かっていても本当の意味で理解していなかったのです。

 難治性の慢性肩こりや慢性腰痛が良くならない若しくは軽減してもほんのちょっとだったりすぐに戻ってしまうのは自分の技術が足りないせいだと誤認していたのです。カイロプラクティックは困りごとの根本を矯正施術によって改善する根本療法だと誤認していたからです。

 原因を探り出し目の前にいる困りごとを抱えている方の骨格の基準を共有し最速最短で各関節の機能を100%発揮させるのがカイロプラクティックの真髄だと気付いたのです。(カレッジでは繰り返し教わっていたのですが自分の物になっていなかったのです。)

 つまりしつこい慢性の肩こりや腰痛は自分で作り出している骨格の歪みが原因でそこを改善しなければ一生軽くはならないだけでなくどんどん悪化していくのです。

 例えば「立った姿勢でどちらか片脚に体重を掛けるのが好きな人」「座っているときに脚を組む人」「坐ると猫背になる人」これらの姿勢は良く見かけるし特段変わった姿勢ではありません。むしろ記号のように存在し「かわいい女の子は内股で立つ」みたいな誤認もはびこっています。    

 この様な姿勢が歪みの発生原因でこの様な姿勢を何故してしてしまうのか?一緒に考え改善する事が真の根本改善なのです。

 その証拠にこの考えを理解して頂き実践された殆どの方は長年の不調が改善され自分だけでなく家族や友人を連れてきます。会社によっては福利厚生で社員全員のケアを私共に委託されているのです。

 

それでも難しいと感じる姿勢改善そのポイントは?

姿勢改善のポイント

①良い姿勢の基準を知る

②股関節の可動域の正常化をはかる

③身体を支えるための筋力強化

④良い姿勢で過ごす為の環境を整える

 これらは子供の猫背改善にも言える事です。上記の事を踏まえないといくら小言を言い続けても子供の姿勢は1ミリも改善されないのです。また、私が12年間かけて独自の調査をしたのですが15人に一人の割合で良い姿勢が出来ている子供もいます。上記の条件をほぼ満たしているのは15人にひとりくらいなんだなと認識しています。

 

まとめ

骨格の歪みやズレと呼ばれているものは日常生活で反復して行っている姿勢が作り出しています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
寺田 修司茨城出身 50代 カイロプラクター
茨城県つくば市にて2院のカイロプラクティック院を経営しています。 施術実績のべ20万人以上!  日本カイロプラクティックセンターつくば 院長  日本カイロプラクティックセンターつくばANNEX 総院長  東洋カイロプラクティック協会 会長。  NPO法人東洋カイロプラクティック普及協会 会長  元横浜カイロプラクティック学院・臨床講師  施術者養成講座 主宰  歯並び育成アドバイザー 肩こりが歯並びやくいしばりから来ていることに注目し、歯並び育成アドバイザーの資格取得。 歯科医師向けの姿勢改善の為の講師をしています。